ある日、いつものように仕入れ帰りにエンジンをかけたときに、
「あれ?なんかセル弱いかも…?」
という違和感があったんだ。
でもまあ一応動いたし、深く考えずにスルーしてその日は普通に帰宅(おおざっぱな性格がここに響く)。
で、数日後。
今日はコストコに買い物でも行くか〜なんてルンルンで乗り込んだら…
ガガガガガッ……キュル……キュル……

え、かからん…
「はいはいはい、こういうトラブルのときに大事なのは初動だからね」と荒くなりはじめた呼吸を強引に整えながら、加入している自動車保険会社に電話するも、まさかのロードサービス未加入。
「あ、そういや保険更新のタイミングで会社切り替えたときに余計なオプション外したんだっけ…」
もし今回サービスに来てもらうとエンジンかけるだけで実費で3万とか掛かるんだって。
万が一プラスでレッカーとかしたら、そりゃあえぐい金額になるっぽい。
このへんから息遣いが荒くなってくるぼく。

OK…あ、でも近所にイエローハットあったよな!
と、無理やり冷静を装いつつ、オートバックスやイエローハットにも問い合わせたけど、

バッテリー交換だけで2~3万かかりますね
と言われて一気に萎える。このあたりでぼくの血圧は絶賛上昇中。

(心の声)落ち着け…落ち着くんだ
図体はデカいがノミの心臓であるわたくし、まずは落ち着こうと30分くらいコーヒー飲んだり、ボーっとしてたらひらめいた。

いや、これAmazonで買って自分で交換したら1万円以下で済むんじゃ?
ということで、せどらー的コスパ魂が火を吹き、ポチッと注文。
数日後に届いたバッテリーを、誰かのブログとYouTubeを参考にしながら無事交換成功!
もちろん工具や手順の注意点はあったけど、
やってみたら案外いけるじゃん。
というわけで今回は、ぼくと同じように「急にバッテリー死んだ…」という人向けに、
ハイエース(200系)のバッテリー交換の記録と注意点をまとめてみました。
コストコに行こう、が、ハイエースが沈黙。

ハローストレージ寄ってからコストコ行こー
その日の夕方、リモートワーク終業間近の嫁にそう伝え颯爽とハイエースに乗り込み、いつも通りエンジンの「START」ボタンを押したが…セルが回らず。
「カカカカカ!!」
という何かが引っ掛かかっているような連続音が車内に鳴り響く。
その瞬間ぼくはもう察してはいた。
前回の仕入れの帰り、セルの回りが弱く感じていたことを見て見ぬふりをしたことがこの結果を招いた。
コストコはいいんだけど、せどらーのぼくにとってハイエースはまぎれもない商売道具。
仕入れ、発送、外注さんへの在庫受け渡しなど、クルマが動かなきゃすべて仕事が止まる。
何が原因?ってバッテリーの寿命がいちばん怪しい
最初に確認したことは運転席側のパワーウィンドウの動作、パワースライドドアの開閉。
ちゃんと「アクセサリー」電源はONになるんだけど、ブレーキを踏みこんで「START」ボタンを押すと「カカカカ!」となる。
ぼくのハイエースは「リースナブル」で契約し、2021年の12月に納車された新車なんだけど、
関連記事:【200系ハイエース】バック時、看板にぶつけてテールレンズ破損したから自分で交換することにした話
それから今回までの間、2回の車検とエンジンオイルとオイルフィルター交換はしてもらてるものの、バッテリーは納車当時からのものを使い続けていた。
ぼくのハイエースの使用頻度は、週に1回だいたい埼玉県を中心にした仕入れに行きつつ、それ以外は倉庫→発送→外注さん宅→倉庫…みたいな感じ。
あとは普段の足として買い物やキャンプに行く感じだけど、ほぼ毎日なんらかの形でクルマは動かしてるから「乗らなさ過ぎてバッテリー上がり」ってパターンでは決してない。
ただ仕入れのときなんかは1日で10店舗とか回るから、その都度「エンジンOFF」「エンジンON」をするわけで、そうなるとなかなかバッテリーにも負荷がかかっているものと推察された。
200系ハイエース対応バッテリー「85D26R」をAmazonで購入
じゃあDIYでハイエースのバッテリー交換をするか!と決断したものの、ハイエースって排気量・グレード・エンジン(ガソリン or 軽油)なんかが様々あって、ぼくのハイエースはなんなんだ?ってなった。
以前の記事でも書いたんだけど、そんなときは慌てずに「車検証」か「自動車保険証券」を見ると型式なんかが載ってるので、そこからしっかりと対応バッテリーを確認してほしい。
関連記事:【事故って学ぶ】テールレンズ割ったけど、社外品で安く修理できた体験談【200系ハイエース】
で、今回選んだバッテリーが「型番 85D26R」というもの。

Amazonのタイムセールがあったので1万円弱で買えたのがラッキーだった。
心配な人は下記から車種を選択して適合サイズを調べることもできるから参考にしてほしい。
実際のバッテリー交換手順と作業の流れ
メモリーバックアップ実施(ナビの履歴とか消えるのが嫌な人向け)

今回はバッテリーのほかに「メモリバックアップ」という作業もセットで実施した。
最近のクルマって本当にいろんな電装品が付いていて、パッと思いつくだけでもカーナビやドラレコやETCなんかがそうで、バッテリー交換の際に旧バッテリーを外した途端「完全に電気が通ってない状態」が発生するんだって。
そうなるとカーナビなんかの今まで登録した目的地や、ドラレコの設定などもろもろリセットされてしまうため、「交換の最中に電装品へ電流を供給する部品」ってのがあると知った。

えー…なんかめんどくさいし、リセットされても別に良くない?
もちろんぼくもそう思ったんだけど、調べていくうちにメモリーが消えるって意外と厄介っぽい意見が多いし、部品も大した金額ではなかったから買ってみることにした。(結果これはナイス判断だったとわかる)

ただ、この機器はあくまでシガーソケットへ電源を供給するためのもので、プラスアルファで9V電池も必要。


いまどきこんな電池まだ売ってんのかー
子どものころに遊んだ電動ラジコンなんかが、よくこの電池を使ってた気がするんだけど、本当に何十年ぶりに買った気がする。
ハイエースのバッテリーは助手席シートの下にある

わりと多くのセダンやミニバン、SUVなんかはクルマのボンネットを開けるとバッテリーにすぐアクセスできるんだけど、ハイエースの場合はそうは問屋がおろさない。
助手席側シートの下、っていうちょっとハードル高めに感じてしまう位置にエンジンと一緒に収まってるんだ。

どうりで走行中うるさいと思ったよー

で、この助手席のシートを後ろに跳ね上げる必要があるから、上記のドア側シート下カバーをめくりあげるとこんな感じでフックがある。

なのでこのフックを外す。

フックはもう一か所あって、位置的にはセンターコンソールの下あたりにあるので、こいつも同様に外す。

二か所のフックを外したら助手席のシートごと「ガバッ!」と後部座席側に倒す。
すると画面の奥側に赤いターミナルカバーが見えるので、ここでようやくバッテリーと対面することが可能。

いやー、はじめて開けたけど、ここまでは案外かんたんだったね
とはいえ、ここから旧バッテリーをひっぱり出すパワーと「電源ショート予防」のために、若干の配慮が必要となる。
そしてぼくは身長187cm、体重95kgの巨体。
また、ハイエースは自宅駐車場脇に助手席側を横付けしている状態なので、運転席側から身体を乗り入れつつ狭いスペースでその慎重な作業を強いられることとなった。

本当は助手席側シートを跳ね上げる場合は、その状態をキープするために引っかけておく部品があるんだけど、助手席ドアからアクセスできない状態だったため「プリン写ル」を重しにしてみた。

ちなみに「プリン写ル」は年末によく売れる商品だから
覚えておくことはおじさんとの約束だぞ!


ここでAmazonから届いたアイシンの85D26R新品バッテリーの登場だ。

中央部分に持ち手があるから片手で移動できるし、今回は狭小スペースでの作業環境下なのでありがたい。

続いて旧バッテリーを外す前に、メモリーバックアップのために購入したこの製品をシガーソケットに差し込んで、一時的に車内の電装品に9V電力を供給。
ここからはスピードが大事なので、作業時間は10分以内で終えられるようにしたい。
最重要:取り外しはマイナスから、取付けもマイナスで終わること

クルマのバッテリー交換にあたって、最重要なのが
「取り外す際はマイナス(ー)から外し、取り付ける際もマイナス(ー)で終わる」
という順番の鉄則だ。
細かい説明は省くけど、ここを怠ると「ショート」「感電」や最悪「バッテリー破裂」なんて物騒すぎる事態が発生する。
けっこうありがちなのが「工具でターミナルのナットを緩めてる際に工具がボディ金属部分に接触」っていうパターン。
劣化したバッテリーを外す際でも、これをやると「パンっ!」と火花が出るんだけど、新品の電圧バリバリのバッテリーだと割とまじでシャレにならない。

古いのはマイナスからはずす!
新しいのは最後にマイナスをつける!
これはおじさんとの約束だぞ!(2回目)

上記の鉄則を守り、無事に旧バッテリーを引き出すことができた。

付いてたのはGSユアサのバッテリーだったんだね。
アイシンの新バッテリーを設置

ここからは取り外し作業と逆の順番で進めていく。
この時点ではターミナルのキャップは外さず、なおかつ車体側のケーブル端子部分はガムテープで絶縁しとくほどの念の入れよう。
でもバッテリー交換って、これくらい慎重でちょうどいいくらいの作業だと伝えたい。

無事に新バッテリーの設置と端子の接続が完了。
もちろん端子は「最後にマイナス側を接続」だ。
気づき:メモリーバックアップは100%ではなかった

慎重に実施したこともあって、これといった事故もトラブルもなく無事にバッテリー交換は完了。
エンジンも無事に始動したのでひと安心、と思ったらカーナビの設定が一部リセットされてたっぽい。
その他気づいたことは下記。
- パワーウインドウのオート開閉が利かなくなった
- 「クリアランスソナーエラー」の表示がメーターパネルに出た
すぐに気づいたのはこのふたつだけど、しばらく試運転して翌日仕入れで一日運転してたら正常に復帰していた。
調べてみるとバッテリー上がりの場合は少なからず設定がリセットされることは不可避っぽいので、80%くらいのメモリーが保持されてればOK、というスタンスでいたら大満足。
カーナビに登録していた「行先」や「自宅」、「履歴」なんかは残ってたからイチから入力しないで済んで良かったです。
まとめ:バッテリーは急に死ぬ。せどらーにとっては命綱。

電池ってクルマのバッテリー含めて、やっぱりけっきょく「消耗品」だ。
若いころに地元の中古車販売店で3年くらいフリーターだったことがあるんだけど、その時にバッテリー交換は死ぬほどやってたんだよね。
だいたいバッテリー劣化してきてるクルマって、エンジン始動時にセルの回りが悪くなってきてたり、何らかの予兆を出してることが実は多い。
もうクルマの免許を取得して30年以上経過して、いろんなクルマを乗り継いできたぼくだって、過去に自分でバッテリー交換も何べんもやってきてる。
じゃあなんで今回ハイエースのバッテリー上がりを見落としたのか?っていうと、過去に乗ってきたクルマとハイエースの決定的な違いがあるからなんだ。
過去に乗ってきたクルマは総じて「最低10年落ちの中古車」だったのに対して、ハイエースは「リースの新車」。
新車なんだから5年間ディーラー保証あるし。新車なんだからダイナモとかセルモーターとか、不調になることもないでしょ。新車なんだからそうそう故障しないでしょ。
「慢心」。その一言に尽きる。
考えてみればそれぞれの部品なんかはもちろん新車で劣化度合も少ないものの、バッテリーって消耗品なんだよね。
そんな当たり前すぎる事実、
「車は動いて当たり前、と思ってると足元すくわれる」
僕の失敗を反面教師にしてください。

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