夏のキャンプは地獄。これは自分の中でほぼ確立された事実。
にもかかわらず昨年オープンしたばかりのスノーピーク鹿沼へ、梅雨真っ最中の7月に行ってきた。
結果、予想どおりに灼熱の1泊2日となった。
そもそも夏にキャンプとかバーベキューって、テレビCMとかSNSでよく見かけるし、
「夏=レジャー=キャンプでしょ!」
って思いがちなんだけど、あれってたぶんビールなんかを売りたい飲料メーカーとかのマーケティング戦略なんじゃないかと思うんだよね。
おい、お前そこまで持論を述べておいてなぜ行ったんだよ、と言われたら反論もできないんだけど、

栃木だし標高は高そうだし、涼しいんじゃない?

2024年OPENでスノーピークだし、設備も新しいもんねー
人間は誰しもぼんやりした疑念があっても、魅力的な話があると自分に都合のいい方に解釈して突っ走ってしまう哀しい生き物なもんで、我が家も漏れなくそちら側の住民だ。
いや、正確に言うと事前にスノーピークのホームページでさらっと確認はしたんだ。
株式会社スノーピーク(代表取締役 会長兼社長執行役員:山井太、本社:新潟県三条市、証券コード:7816)は、関東初となる直営キャンプフィールド「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド & スパ(Snow Peak KANUMA Campfield & Spa)」を2024年4月13日(土)に開業いたします。
「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド & スパ」が開業する栃木県鹿沼市は、関東屈指の清流とも呼ばれる大芦川が流れ、渓谷釣りやキャニオニングなどの自然の中で楽しめるアクティビティが豊富な地域としても有名です。また標高1300mにある横根高原は別名「小尾瀬」とも呼ばれる井戸湿原があり、400種類以上の植物が自生するなど、豊富な自然資源に囲まれた場所でもあります。鹿沼市は自然の宝庫にもかかわらず、東京から100km圏内で、移動手段も多くアクセスの良さも大変魅力です。
引用元:スノーピークHP
上記の引用文にしっかりと「標高1300m」の文字がしっかり書いてある。
「標高が100m上がるごとに気温が1℃下がる」なんてことをなんかで見たか聞いたかしたこともある。
――ところがどっこい、現地スノーピーク鹿沼は標高およそ160m。日中は梅雨の晴れ間に射すギラギラの太陽光線と、熱帯を感じさせる高湿度の灼熱地獄。


「まじかよ、なんでだよ」とか言いながら、帰ってきて楽天トラベルで調べたらスノーピーク鹿沼の標高って「156.9m」なんだって。
なんで公式HPで謳ってる標高と現地の標高が違うんだよ!と泣いても喚いても、なにも現状は変えられないことは長い人生経験から分かっているわたくし、今回もまたひとつ大切な学びを得たと前向きに捉えることにする。
今回はそんな「甘く見てた夏キャンプのリアル」を、自戒の意味も込めてお届けする。
これから夏キャンプを検討しているあなたにこそ、ぜひ読んでもらってキャンプ地の予定を立ててほしい。
夏キャンプは地獄?わかってたのに行った理由

そもそも「夏キャンプはやめとけ」という持論が確信に至った経緯は、過去の記事でも何度か投稿しているので興味のある人は見てほしいんだけど、夏キャンプの一番キツい理由は「暑さからはどうやっても逃れようがない」という小学生でもわかるくらい当たり前のことなんだ。
関連記事①:【ときがわ木のむらキャンプ場】コロナを経て改悪されたかつての穴場
関連記事②:【CAMP】千葉県長生郡長柄町「アルビンスポーツパーク」でキャンプ
その一方で秋から翌年の春までのキャンプ場からするといわゆる「レギュラーシーズン」、「オフシーズン」なんかは寒さ対策としてカイロやストーブ、電源サイトだったらホットカーペットなんかも持ちこんでしまえばかなりの快適性が約束されている。しかもサイト料金も安い。
おまけに言うと夏場と違って「虫がいない(少ない)」。これが女性にはかなり大きなポイントだったりするんだ。

以上がぼくが長年にわたって「キャンプするなら冬!」と強くおすすめする理由。
それでも今回、スノーピーク鹿沼に行こうと思った3つの理由を下記に挙げていく。
OPENしたばかりの新しいキャンプ場でメンバーにウケそう

スノーピークと言ったら、ベテランから初心者のキャンパーまで聞けば知ってる安心のメイドインジャパンのブランドなんだけど、そんなアウトドア用品メーカー運営のキャンプ場なんて聞いたら大抵の人間は興味を示してくれる。
実際のところ、今回の鹿沼も奇跡的に週末の予約を取れたことをいつものメンバーに報告したら光の速さで「いくよ」と返答があった。
栃木だし標高も高いんじゃ?っていう希望的観測
そんな希望的観測も現地であっさり打ち砕かれた。少なくともスノーピーク鹿沼の現地標高は160m足らず。これは「ほぼ市街地から少し離れた平地」とした方が表現としては正確。
そして「標高1300m」とHPに記載されている横根高原の地図を見ると、スノーピーク鹿沼からはクルマでおよそ1時間かかる距離だったりするんだ。

それって謳っちゃマズくない?💦
確かに同じ鹿沼市だし、まるっきりのウソではないんだろうけど、これちょっと無理ありませんか?って感じ。
高規格キャンプ場=快適に違いない、という薄っぺらな根拠と安心感

スノーピークのキャンプ場っていまや全国あちこちにできてきていて、今回訪れた鹿沼は関東地方にOPENしたスノーピークが運営する待望のキャンプ場なんだよね。
実際、過去にぼくらは長野県のスノーピーク白馬に2度ほど行ってて、そのときの素晴らしい体験はいまだに仲間内で語り草になるほどだったりする。
関連記事:【CAMP】Snow Peak LAND STATION HAKUBAで1泊2日のキャンプ!予想を遥かに超えた美しいキャンプ場だった!
この記事のときは秋のキャンプだったんだけど、時期的にも夏が終わった絶好のタイミングで夜間も寒すぎず、スノーピークの清潔で新しい設備で楽しく過ごすことができた。
そんなこともあって、謎の「スノーピークのキャンプ場なら大丈夫っしょ」という思い込みがあったのは事実。
スノーピーク鹿沼ってどんなとこ?
繰り返しになるんだけど、スノーピーク鹿沼は2024年4月オープンした関東住みのキャンパーが待ちに待ってた新しいキャンプ場だ。
ぼくも含めた多くのキャンプ愛好家を満足させてきた、実績のあるスノーピーク直営の高規格施設がこれでもか!と投入されている。

トイレや炊事場、ショップなどの充実ぶりはもちろんのこと、個人的に驚いたのは上記の画像のように「充電コーナー」なんてものがサニタリー棟には設置されていた。
だもんで今回ぼくらが設営したのは電源なしのフリーサイトではあったんだけど、スマホやアウトドアグッズの充電なんかはこちらを利用することで滞在中の電源問題は解消されてしまっていた。
関連記事:【プロせどらー愛用】動作確認に欠かせないJACKERYのポータブル電源
とはいえ、ぼくは今回ポータブル電源を勇んで持参していたからこちらを利用することはなかったものの、高価なポータブル電源なんて買うのは一部の酔狂な人くらいだと思うから、盗難には一定の配慮をしつつ有難くこちらで充電させてもらうのが良い。

こういう充電コーナーってほかのスノーピークでもあるのかね?
スノーピークのキャンプ場では、炊事場などに充電スペースが設けられている場合もあります。例えば、ヘッドクォーターズでは、炊事場に自由に使用できるコンセントが設置されています。また、鹿沼キャンプフィールド&スパでは、サニタリー棟に充電スペースが設けられています。
引用元:AI による概要

すべてのスノーピークキャンプ場にあるわけじゃないみたいね!

アクセス抜群!埼玉から2時間以内の好立地

鹿沼までは埼玉南東部(筆者拠点)から高速で2時間で到着してしまうアクセスの良さ。ここは最高。
それまでは自宅から一番近くのスノーピークキャンプ場は長野県白馬市で、そこはグーグルマップだとおよそ4時間。
となると白馬ならさすがに途中のSAでトイレ休憩などもしなければならないから、実質5時間は到着までに費やすことになる。プラスで買い出しなども発生するだろうから移動だけで往復10時間以上はみておかないといけない。

1泊2日だとクルマの中で過ごす時間の方が長いんじゃない?

それは言い過ぎよね
これはせどらーとして普段からクルマの運転には慣れ切ってる自分でも、なかなか気軽にちょくちょく白馬までキャンプだけで行くのは躊躇してしまうレベルだから、スノーピーク鹿沼がいかに関東民にとってアクセスの良いキャンプ場かご理解いただけると思う。
スーパーはヤオハン粟野店が近くて買い出しにめちゃ便利
スノーピーク鹿沼から一番近いスーパーマーケットは「ヤオハン粟野店」がクルマで10分くらいの距離にあるので買い出しも楽。
ぼくがトイレに入ってる間にほかのみんなが買い出しを終えてくれてたので、品揃えはちょっとわからないんだけど、夜のキャンプご飯は「うな丼」だったくらいなので問題ないんだろうなって感じ。
※うな丼写真あれば
「栃木だし、涼しいでしょ?」という甘い幻想

その幻想は間違っていた、ということはキャンプ場の駐車場に着いた瞬間に思い知らされた。
鹿沼=山あい=涼しい、と都合よく思ってた自分の浅はかさを呪った。
そもそも梅雨時期だし、湿度なんかはサイトの芝生に含んだ水分もあってとんでもなく不愉快。
ここまで聞いててもなお夏キャンプに行きたい人を止めるつもりはないけど、熱中症の対策はくれぐれも忘れないようにアドバイスさせてほしい。
設営中に汗だく!体感温度は真夏のフェス並み

暑すぎて設営中にヘロヘロになりつつも、いつもの4人の絶妙なコンビネーションもあってどうにかカマボコテントを立てることができた。
関連記事:【大人4名でも余裕の空間】DODのカマボコテント3Mで1泊2日の秋雨キャンプ使用レビュー
カマボコテントは以前の記事でも紹介している通り、4本のポールで立ち上げてあとは13本のペグを地中にたたき込むだけの簡単テントだったのが不幸中の幸い。
うちはほかにも仕入れのついでに買った中古テントがいくつかあるんだけど、初めてのテント設営って案外まごまごしてググったり動画をみたりしながら立ててくから、時間もかかってしまうんだよね。
で、ウチは「早く立ててビールのみてー!」という思いが強すぎるからか、設営がうまくできないとお互いイライラが募ってきてけっこうな確率で喧嘩になる。
そうなってくるとせっかく遠くまできておいて、わざわざ夫婦喧嘩の火種をまき散らすという超絶不毛な事態になるから「テント設営は容易であるにこしたことはない」というのが、ぼくのキャンプにおけるポリシー。

話を戻すと、今回のフリーサイトDは「日陰がほぼゼロ」ってところも夏キャンプに不向きな部分だった。
当日は風がほぼ無かったこともあって、設営しやすさにおいて抜群のカマボコテントをもってしてもなかなかのしんどい作業であった。

ポータブル電源といっしょに持参した「扇風機」を常時稼働させつつも、この「暑さとの闘い」は日が沈むまで続いた。
とはいえ途中で受付棟内に日帰り温泉施設なんかを利用しつつ1時間~2時間程度やりすごすことができればだいぶラクではあると思う。

ぼくは無料のシャワー室を3回使ったよ
まとめ:夏に行くなら覚悟と準備を!でも秋にリベンジしたい

長々と書いてしまった。
スノーピーク鹿沼キャンプ場のレビューというよりも、けっきょく「夏キャンプ、やめとけ」という従来の考えを確固たるものにした、という思いの丈をぶっつけまくる内容となった。
とはいえそれでも夏にキャンプ行きたいのなら「標高の高いところ」を候補にすれば白馬や軽井沢なんかを筆頭に良いキャンプ場はまだあるし、暑い中でのキャンプもそれはそれで工夫して楽しめる人もいるだろうから、どんどん行ってみてほしい。
実際ぼくらも文句を垂れつつも最終的には「それでも楽しかったよねー」なんて言えてるくらいだから、行けるときに行きたいところに行くって感じでいいと思う。お子さんなんかもいい思い出になるだろうしね。
今回の教訓:「標高と風通しはちゃんと調べてから行こう」
スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ
コメント