ハワイに行くたび、胸が躍る——でもその裏で、財布の中身はちょっと泣いているかもしれません。
憧れのハワイでダイヤモンドヘッドを見ながら、夫婦で美味しい食事とカクテルをたしなむ…そんな夢みたいな話、ぼくは実現している。
でも実際のところ、その舞台裏でぼくはちょっと複雑な気持ちを抱えていた。
なぜなら滞在先は数年前に購入したヒルトングランドバケーション(HGV)のタイムシェア物件。
ぼくは数年前、勢いと「せどらー妻としての理解者である奥さんへのご褒美」という言葉に背中を押され、ヒルトングランドバケーション(HGV)を契約していた。
なんと、購入費総額はハイエースの新車並み。
さらに年間管理費を積み上げれば仮に20年だとして別途500万円近く掛かる見込み。いや、昨今のインフレ事情を考慮するとそれも大きく超えてくる可能性が高い。ってことは1000万?
おまけに渡航してリゾート利用するたびに説明会という名のセールスにも付き合わされる。
……正直、少し後悔しています。

でも、せっかく購入してしまった以上、上手に活用すれば人生のご褒美にできるはず。
後悔と同時に、「買ってしまった以上、どう使い倒すか」が大事だと気付いた。
この記事では、所有して分かったメリットと、想像以上に重いデメリット、そして後悔を減らすための“活用のコツ”まで、包み隠さずシェアしたい。
同じように「買っちゃったけどモヤモヤしてる」HGV所有者同胞の参考になれば幸い。
HGVのメリット、デメリット|購入を決めたのは妻のひと言だった

自営業で時間の融通がきくようになってから、ハワイ一家である妻の影響もあって自分でも信じられないくらい渡航する頻度が増えてきていた。
それでもHGV購入前はその都度ホテルを予約したり、エクスペディアなんかで往復航空券付き格安パッケージ、エアビーアンドビー(airbnb)で民泊を利用したりしつつワイキキ周辺の宿泊を楽しんでもいたんだ。
ところがハワイで滞在したエアビーでの民泊利用の際、妻がぽつりとつぶやいた。

なんかこの部屋「漬け物」みたいな匂いする…
ぼくの妻は「匂い」に対して過剰とも思えるほどの敏感少女で、キャンプ場のトイレや水回り、自宅で出た生ゴミについても猛烈な拒否反応を示すくらい。おかげでいつのころからステルス的にぼくがわが家のゴミ捨て担当に任命されてしまうほど。
そんな彼女から言わせると、その時に滞在した民泊施設全体にうっすらと匂いが漂っていて、帰国したあとの思い出話でもちょくちょくそれが不快だった旨の発言をしていたんだ。

いや、そうかなあ💦
新宿でHGVの「ハワイ島3泊無料宿泊券」に釣られて説明会に行った経緯は後述するんだけど、そこでのセールストークを受けてる際に担当者の女性から、

ウーマン
いかがですか?
奥様なにか気になることありません?
と妻が質問を受けた際に、かつてのエアビーでの「匂い体験」を語り出したところでセールスの流れがグッと購入の方に傾いていく雰囲気となったのは冒頭で語った通り。
メリット:高級コンドミニアムに毎年滞在できる

とはいえ、HGVは長期休みを調整しやすい自営業の僕にとって向いていることは事実だし、妻にとっても安心・清潔なヒルトンブランドのコンドミニアムに宿泊できるということはメリットである。
加えていうと、HGVはちょくちょく「ポイント還元」という名目で、通常の必要ポイントから大幅にディスカウントされて宿泊可能なタイムセール的なお得なキャンペーンが行われていたりする。

上記の画像は一例なんだけど、75%オフ、なんていう
もはや通常ポイントで取る方が損なのでは?
とイヤでも思わされるレベル。
ホテルと比べ部屋が倍は広く、施設によっては広めのキッチンと洗濯乾燥機もあり。このあたりはタイムシェアならではだな、と利用してみてはじめて分かった点も多い。
参考までに上記のラスベガスのホテルに2023年に滞在した履歴を載せとくと、

当時使用したのは1ベッドルーム(4人宿泊可能だけど結果夫婦ふたりで利用)で1616ポイント。
これをまったく同じ日付で2年後に設定し、普通にヒルトン公式から予約しようとすると下記。

当然ドル円為替レートで変わってくるけど、現時点(2025/8/8)ではトータル127,538円。
一泊あたりにならすとだいたい31,884円。
こうするとHGVの方がお得、のような気もする。
また今回、個人的にはハワイ島のワイコロアにあるキングスランドでの3泊は周囲にゴルフコースがあるくらいで全体的にのんびりした雰囲気もあって、

ハワイ島のほうが落ち着いてて好きだなー
などとあらためて感じたりもした。これはHGVのタイムシェアを利用したからこそ得られた体験。
タイムシェアならではで部屋の広さは夫婦2名には十分だし、ベランダに出ればハワイ島は島全体が街灯なんかも少ないから星空も堪能できる。このへんの快適さは本当に魅力、価値を感じられる瞬間もあるにはあった。
デメリット①:毎年掛かるランニングコスト

ぼくが感じたメリットに続いて、デメリットその①。
まず、HGVって購入すると不動産の扱いになってしまうので「リゾート管理費」ってのが毎年発生するんだけど、こいつが非常に曲者なんだ。

その額は年間16万円以上(2024年時点)。月間にならすと実におよそ14000円。

これ、うちの電気代より高いんだけど💦
もうこれってウチのサブスクで考えると、せどらー倉庫として利用しているハローストレージの月額料金に匹敵するほどのインパクトなんだ。
参考記事:【せどらー倉庫】ハローストレージを6年間利用して:メリット・デメリットを解説する
要は「メリット」で先に上げた「13万円弱のラスベガス4泊よりリゾート管理費の方が高い」という事態になる。

はい、メリット消えたー。
もうひとつおまけに言っちゃうとHGVの管理費って、日本を凌ぐアメリカのインフレで毎年じりじりと上がってってたりする。
これって、もう埼玉県のわが家の固定資産税以上の金額を、毎年HGVに献上することを意味していることになる。一生涯にわたって。(倒置法)
デメリット②:リゾート利用の度に誘導されるセールス(説明会)

そしてデメリットその②。
HGVオーナーで過去にリゾートを利用したことがある人は分かってもらえると思うんだけど、HGVのビジネスモデルはとても巧妙で一回買ったリゾートにチェックインする度に「ウェルカムギフト」という名の新たなセールスをしてくる。いや、してきやがる。
これが死ぬほどうざい。まじで迷惑。
そもそも「ウェルカムギフト」なんてさもありがたそうなことを言ってくるけど、その内容はプールのタオル利用券やら宿泊人数分のミネラルウォーター。なんだそれ。
しかもタオルや水はこれまた単なる『撒き餌』で、こいつに釣られて日本人のチェックインカウンターに誘導されると99%の確率で、

ウーマン
滞在中に1~2時間程度の説明会に参加いただくと
150ドル相当の商品券さし上げますよ~
なんてことを言ってくる。まじで悪質。
だいたいこっちはリゾートに到着して早々、フライトの疲労を纏いながらもハワイの雰囲気に舞い上がって、ただでさえ正常な判断力を失ってる旅行者。
そこを衝いてくるHGVからの提案、内容は『もっとグレードの高い広い部屋にランクアップしませんか?』っていう新たなセールスだ。

予定あるからそんなヒマないよ…(心の声)
こっちは遠路はるばるようやく日本からやってきて、行きたいお店や食事なんかで限られた期間を大切に過ごしたいというのに、つい説明会なんかに参加するとそれだけで数時間費やす羽目になる。
さすがのヒルトンホテルだけあって、その広告や集客、マーケティングなんかがよく練られていて現地のスタッフ含めて「まるで呼吸をするかのようにセールス」してくるから気をつけたい。
今回のHGVハワイ旅行費用。ほかの方法だとどうなる?
7泊9日で東京~オアフ島~ハワイ島への交通費を含め総額50万円

7/22~7/30の7泊9日のハワイ旅でかかった費用を計算してみた。
宿泊先の内訳は下記。1泊目のマリオットは無料宿泊を利用したけど宿泊税が発生。
7/22(1泊)オアフ島 | 7/23(3泊)オアフ島 | 7/26(3泊)ハワイ島 |
ワイキキビーチ・マリオット・リゾート&スパ | ヒルトン・グランド・バケーションズ・クラブ・ザ・グランド・アイランダー・ワイキキ・ホノルル | ヒルトン・グランド・バケーションズ・クラブ・キングズランド・ワイコロア |
オアフ島4泊の初日はマリオットボンヴォイの無料宿泊で1泊、HGVのグランドアイランダーで3泊。その後ハワイ島に移動してHGVのキングスランドで3泊。HGVはポイントを使用。
航空券代金 | 245,025円(42,272円ハワイ島往復、202,753円オアフ島往復) |
宿泊代金総額(税込み) | 23,750円(マリオット9,722円、ヒルトンオアフ7,407円、ハワイ島6,621円) |
レンタカー、UBER、LYFTなど現地交通費 | 33,692円 |
食費、カフェ、スーパー等 | 約15万円※主に妻が支払のため |
旅費総額 | 50万円くらい |
ちなみに上記表の作成にあたっては、普段使っているマネーフォワードMEという家計簿アプリを使用。
今回は妻が支払った食費など、航空券を含めてざっくり夫婦二名でたぶん50万円程度の支出になっているはず。控えめに見て。

安かった…のか?
いや、今回だけで考えれば安い、はず。ワイキキでグランドアイランダー1泊で6万~する、はずだから。
気になる方はリサーチして、答え合わせしてみてほしい。
「トラベルコ」とか「ブッキングドットコム」でホテル+航空券という手段

でも「買わずにホテル+航空券手配」で十分だったかも?と感じたのも事実。
この記事を書きながらいまふと「トラベルコ」で検索したらハワイ島のほかでカウアイ島も付いて大人1名40万円で行けるんだって。
もちろんホテルのランクが落ちる懸念があるのは言うまでもないんだけど、実際問題HGVを所有してなくても100万円くらいでハワイ旅行自体は堪能できそう。

とはいえ、ねえ…
もちろん100万円なんて大金。そんなことは重々承知してる。ただ、
俺これから20年間維持費を払い続けられるんだろうか?
という思いが払拭できない。
ぼくがHGVを購入するまでの背景
HGVから送付された「ハワイ島3泊無料宿泊券」と言う名の撒き餌

まずぼくはジャンクせどらーの分際でHGVのオーナーなんだけど、2021年にワイキキの物件をタイムシェアで購入して所有してもう4年になる。
思えば当時はコロナ真っ最中だったこともあって「渡航禁止」やら「緊急事態宣言」なんかで、そもそも海外旅行なんておいそれと行けるもんでもないのに「ハワイ島のリゾート3泊無料宿泊券」というエサにまんまと食いついてしまい、結果として『隔年でハワイのヒルトンのリゾートに一週間滞在できる権利』を200万で買ってしまっていた。
とはいえ、この時点ではまだ引き返せる余地もあったはずなんだけど、2023年に更に200万を課金、けっきょくズルズルといまもヒルトンの養分になり続けてしまっている。救いようがない。
これは非常にまずい。過ぎてしまった事実は変えられないけど、なんとか挽回できないものか。
高額商品の購入を即決するとだいたい失敗する

そもそもの話、何百万という買い物を即断即決なんてしたらダメ。
思えば東京、新宿でHGVの説明会にハワイ島の無料宿泊券につられてノコノコ行ってしまった結果、まんまとその場で契約したのが2021年の夏。
その後は海外渡航の解禁などもあって、何度かハワイや沖縄に行きつつもその都度セールスをされて、挙句の果てには『毎年ハワイのヒルトンのリゾートに一週間滞在できる権利』を更に200万課金している始末。
はい、愚か者、ここにいます。トータル購入資金は総額400万円。

この時点でハイエースの新車買えるやん…
冷静に考えてみると、わが家の世帯年収なんて夫婦あわせて7桁〜8桁万円を行き来してるのが現状。
ましてやぼくは自営業でせどらーだから売上も不安定だし、基本的に収入は悲観で考えてるから毎年コンスタントにハワイ旅行だなんて、年一回でも家計に与えるインパクトは相当なものだ。
日本の一流企業の部長・役員じゃあるまいし。
っていうか、そのクラスの人だって都内在住で子どもの教育費なんかを考えると、「海外旅行に家族みんなで毎年バカンス」だなんて余裕は案外無いんじゃないだろうか?
この10数年でハワイ旅行に対する自分の感覚がマヒ

もともとぼくの妻はハワイ歴が長い。というか割と幼少のころからハワイに毎年、下手すると年に2度とか渡航してたほどの上等な家柄の女性なんだ。

ねえ、普通ハワイってさ…
一生に一回行けるか行けないか、みたいな場所なんじゃない?

もちろんオレもそう思ってたよ!
そう、なんならHGVというタイムシェアを購入して、もうじき4年経つ今でもそう思ってる。
実際、嫁と出会う前(当時38才)までのぼくの生涯ハワイ渡航歴は2回。
もう一生分行っただろ
と思ってた。
なんだけど、嫁とその家族がオアフ島の現地に友人知人がいるくらい、ハワイに長いこと通っていて縁があるご家庭ということもあって状況は大きく変わった。

でもなあ、嫁のやりてえってことは
なるだけやらしてやりてえからなあ
ということで、大きな流れに飲み込まれるようにその後ハワイで挙式、現在に至るって感じ。
ハワイ旅行に対する心理的ハードルを下げるメディアの功罪

そもそも、ハワイ旅行が日本人の人気海外旅行先ランキングにおいて長いこと上位に君臨し続けてる理由、ってのは大きく3つあると思ってて、
- 年中通して温暖で過ごしやすい気候
- 日付変更線をまたぐ、という国内旅行では味わえない非日常感
- メジャーな観光地だから海外なのに「アウェー感」が希薄
特に温暖な気候については寒がりで冬が大嫌いなぼくにとって、年中温暖な気候ってのはけっこうなポイントだったりしていて、年齢を重ねてきている現在もその想いはどんどん顕著になっている。

直行便で片道6~7時間で行ける気軽さもあるし、嫁の両親(ぼくにとっての義理の父母)みたいなシニア層からも根強い支持があることからも、この辺は多くの人にとっても同意いただけるんじゃないかと思う。
3つ目に記載した「アウェー感が希薄」という点も重要で、定期的に有吉の夏休みみたいなハワイロケ番組がまあまあな頻度で放送されてて、年中朝から晩までテレビばかり見ている層の人間は勝手にハワイに親近感を寄せていたりする。

テレビ局からすればそれだけハワイコンテンツは数字が取れるってことの証明だし、ディズニーランドでタレントの皆さんがワイワイ楽しそうに新アトラクションに乗ったりしてるのも似たようなもので、そうやってテレビ番組に接触する機会が多い分だけその地への憧憬を持つというもの。
話を戻すと、そんなハワイ好きの妻を持ったぼくは今回2025年7月22日から30日の9日間、オアフ4泊+ハワイ島3泊という大盤振る舞いを妻の誕生日祝いという名目で行ってきた次第。
もちろんHGVのタイムシェア利用でポイントディスカウントのキャンペーンなども駆使しつつ。
ハワイのタイムシェアを所有してるくせに、ポイ活みたいな貧乏くさい真似をしてるあたりからして、もはや自分を見失っていると言える。
HGVを使い倒す!ピンチをチャンスに変える3つの工夫
※加筆修正中。。。
HGVはヒルトン側にとっても「おいしい客」

タイムシェアの基本を簡単に説明すると「毎年リゾート滞在を約束する権利」というイメージになってくるんだけど、当然そんな権利を得ようとするわけだから安くはない代償を支払うことになる。
いまやHGVに限らずマリオット系やウィンダム系など、ネットやリアルでそれぞれ熱心にセールスをしているのを見る。
そしてそれは「お買い物」なんてレベルでは当然なくて、ヘタをすると新卒社会人の年収並の金額を提示される。

そういうわけだからセールスする側もそりゃあ必死。だって一件契約取れたら200万~400万の売上だ。全力で取りにも来るだろう。
だからメールやDMはもちろん、日本国内のアウトレットモールの一角に「ヒルトングランドバケーション」のブースを設けてみたり、様々な角度から潜在顧客にアプローチを試みてくるってわけ。
そして首尾よく顧客を獲得できれば、たったその一撃で彼らの営業成績はグッと上がる。
新人担当なら、もしかしたらその一人に売るだけで当月目標は達成する場合もあるだろう。

つまりどんなに「その日限りの特典ですよ」とか言われてはした金(期間限定ポイント等)をチラつかせてきたとしても、彼らは一見お客のメリットに寄り添ってるように見せておいて、実のところは目の前のカモ(自分)を一本釣りしてこようとしてるだけなんだ。
だいたい「その日限りの特典」なんて初めから用意されている予算内なんだから、彼らは痛くも痒くもない。世の中の営業の常とう手段なんてそんなものだと理解するべき。
結論:その都度旅行を計画できる人は買わぬが吉

おまえ購入しといてなんだそりゃ、って話にはなるんだけどHGVの購入はぼくの人生において幾つ目かの失敗だった、とここに白状させていただく。はっきり言って買うべきじゃなかった。
少なくともぼくは2018年から個人事業主、2021年からマイクロ法人の二刀流で生計を立てていて、会社員時代と比較して圧倒的に自由な時間を得られている。
と言うのも、ワンオペで面倒な人間との関係性が無いに等しい自分で、ようやく年に1~2度のタイムシェアのポイントを消化出来ている状況なんだ。
ところが昨年から妻が会社員に復帰して気づいたんだけど、多くの社会人ってそんな簡単に1週間単位での休暇って取れるもんじゃない。いまさらかよ。
そもそもHGVの利用は妻と一緒に行くことが前提なのに、肝心の妻が長期休暇を取るには上司や同僚、関係各所との調整と合意を得るというプロセスが必要。
だいたい、年1回以上の海外旅行が難しい人、現地での営業トークがわずらわしい人、コストに見合うか悩む人はヒルトンに近寄らないことをおすすめする。
今回の教訓:「所有すること」は自由から遠ざかることと同義

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