- 「セルモーターの回転が弱い?」と感じたときはバッテリーが上がる予兆
- 200系ハイエースの対応バッテリー確認方法
- DIYでのバッテリー交換方法
ある日、いつものように仕入れ帰りにエンジンをかけたときに、

あれ?なんかセルの回転弱い?
という違和感があったんです。
でもまあ一応動いたし、深く考えずにスルーしてその日は普通に帰宅しました(おおざっぱな性格がここに響く)。
で、数日後。
今日はコストコに買い物でも行くか〜なんてルンルンで乗り込んだら…
ガガガガガッ……キュル……キュル……

エンジンがかからなくなりました……
ということで新車のリースで4年目をむかえたハイエース、とうとうバッテリーが上がってしまいました。
今回の記事はDIYでのバッテリー交換と、そんな事態におちいった経緯などを綴っていきます。
ハイエースのバッテリー交換|業者に頼むと高額

「はいはいはい、こういうトラブルのときに大事なのは初動だからね」と荒くなりはじめた呼吸を強引に整えながら、加入している自動車保険会社に電話するも、まさかのロードサービス未加入。
あ、そういや保険更新のタイミングで会社切り替えたときに余計なオプション外したんだっけ……
もし今回サービスに来てもらうとエンジンかけるだけで実費で3万とか掛かるうえ、万が一プラスでレッカーなんてしたら、そりゃあえぐい金額になるんだとか。
このへんから息遣いが荒くなってくるぼく。

そしたらイエローハットとかオートバックスに聞いてみよう!
と、無理やり冷静を装いつつ、オートバックスやイエローハットにも問い合わせたものの、

バッテリー交換だけで2~3万かかりますね
と言われて一気に萎える。
うーん……、ちょっと落ち着くか……
図体はデカいがノミの心臓であるわたくし、まずは気分転換と30分くらいコーヒー飲んだり、ボーっとしてたら閃きました。

いや、これAmazonで買って自分で交換したら安くなりませんか?
ということで、せどらー的コスパ魂が火を吹き、ポチッと注文。
数日後に届いたバッテリーを、誰かのブログとYouTubeを参考にしながら無事交換成功!
もちろん工具や手順の注意点はあったけど、やってみたら案外いけるじゃん。
というわけで今回は、ぼくと同じように自分でバッテリー交換してみようという人向けに、ハイエース(200系)のバッテリー交換記録と注意点をまとめてみました。

STARTボタンを押すがエンジンかからない


さて、ハローストレージで荷物おろしてからコストコ行きましょうかね
その日の夕方、リモートワーク終業間近の嫁にそう伝え颯爽とハイエースに乗り込み、いつも通りエンジンの「START」ボタンを押したが…セルが回らず。
「カカカカカ!!」
何かが引っ掛かかっているような連続音が車内に鳴り響く。
前回の仕入れの帰り、セルの回りが弱く感じていたのはこれか……
その瞬間ぼくはもう察していました。

これってバッテリー上がりの予兆なんです
その予兆を見て見ぬふりをしたことが、この結果を招いたのでした。
バッテリーの寿命
車の使い方にもよりますが、車のバッテリーの寿命は2~5年といわれています。寿命を迎えたバッテリーは、新しいものと交換する必要があります。引用元:カーバッテリー110番
何が原因?|バッテリーの寿命がいちばん怪しい

最初に確認したことは運転席側のパワーウィンドウの動作、パワースライドドアの開閉。
ちゃんと「アクセサリー」電源はONになるんだけど、ブレーキを踏みこんで「START」ボタンを押すとやはり「カカカカカ!!」となる。
いちおう言っておくと、ぼくのハイエースは「リースナブル」で契約し、2021年の12月に納車された新車です。
納車されてから3年半の間で、2回の車検とエンジンオイルとオイルフィルター交換はしてもらってるものの、バッテリーは納車当時からのものを使い続けていました。
ぼくのハイエースの使用頻度は、週に1回だいたい埼玉県を中心にした仕入れに行きつつ、それ以外は倉庫→発送→外注さん宅→倉庫…みたいな感じです。
あとはプライベートな普段の足として買い物やキャンプにも使っています。

ほぼ毎日クルマは動かしてるので「乗らなさ過ぎてバッテリー上がり」ってパターンではないと予想しました
ただ仕入れのときなんかは1日で10店舗とか回るため、その都度「エンジンOFF」「エンジンON」をするわけで、そう思うと4年目のハイエースのバッテリーへの負荷はけっこうなものだったでしょうね。
200系ハイエース|対応バッテリーを確認した方法

じゃあDIYでバッテリー交換をしてみよう、となってもハイエースって排気量・グレード・エンジン(ガソリン or 軽油)などさまざまなので、どのバッテリーを選ぶべきかわからないことが多いと思います。

自分のクルマの型式の調べ方って一瞬戸惑いませんか?
そんなときは慌てずに「車検証」か「自動車保険証券」を見ると型式が載ってますので、そこからしっかりと対応バッテリーを確認してみてください。
関連記事:【200系ハイエース】テールレンズ破損|社外品で安くDIY交換できた話【作業時間30分】
で、今回ぼくのハイエースに対応しているバッテリーは「型番 85D26R」と判明しました。

こちら、たまたまAmazonのタイムセールがあったので1万円弱で買えたのがラッキーでした。
その他、心配な人は下記から車種を選択して適合サイズを調べることもできます。
実際のバッテリー交換手順と作業の流れ
メモリーバックアップ実施(ナビの履歴とか消えるのが嫌な人向け)

今回はバッテリーのほかに「メモリーバックアップ」という作業もセットで実施しています。
最近のクルマって本当にいろんな電装品が付いていて、パッと思いつくだけでもカーナビやドラレコやETCなんかがそうで、これらはバッテリー交換の際に旧バッテリーを外した途端「完全に電気が通ってない状態」が発生するんだそう。
バッテリー交換時、バックアップせずに作業すると、車に搭載されている電子機器やシステムなどが保存しているデータがリセットされます。
また、バックアップしなかった場合、安全装置や衝突防止機能、運転支援システムなどが搭載されている車は警告灯が点灯する可能性があるでしょう。
引用元:グーネット
データがリセットされるとカーナビなんかの今まで登録した目的地や、ドラレコの設定などもろもろリセットされてしまうため、「交換の最中に電装品へ電流を供給する部品」ってのがあると知りました。

えー……なんかめんどくさいし、リセットされても別に良くないですか?
もちろんぼくもそう思ったんですけど、調べていくうちにメモリーが消えるって意外と厄介っぽい意見が多いし、部品も大した金額ではなかったから買ってみることにみました。(結果これはナイス判断だったとわかりました)

ただ、この機器はあくまでシガーソケットへ電源を供給するためのもので、プラスアルファで9V電池も必要。


いまどきこんな電池まだ売ってるんですね!
子どものころに遊んだ電動ラジコンなんかが、よくこの電池を使ってた気がするんですが、本当に何十年ぶりかで買いました。
ハイエースのバッテリー位置|助手席シートの下

わりと多くのセダンやミニバン、SUVなんかはクルマのボンネットを開けるとバッテリーにすぐアクセスできますが、ハイエースの場合はちょっと違うんです。

バッテリーは助手席側シートの下の位置にエンジンと一緒に収まっています。

どうりで走行中うるさいと思ったよー

で、この助手席のシートを後ろに跳ね上げる必要があるため、上記のドア側シート下カバーをめくりあげるとこんな感じでフックがあります。

なのでこのフックを外します。

フックはもう一か所あって、位置的にはセンターコンソールの下あたりにあります。
ここも同様に外してください。

二か所のフックを外したら助手席のシートごと「ガバッ!」と後部座席側に倒します。
すると画面の奥側に赤いターミナルカバーが見えるので、ここでようやくバッテリーと対面することに。

はじめて開けたけど、ここまでは案外かんたんでした
とはいえ、ここから旧バッテリーをひっぱり出すパワーと「電源ショート予防」のために、若干の配慮が必要となります。
そしてぼくは身長187cm、体重95kgの巨体。
また、ハイエースは自宅駐車場脇に助手席側を横付けしている状態なので、運転席側から身体を乗り入れつつ狭いスペースでその慎重な作業を強いられることとなりました。

本当は助手席側シートを跳ね上げる場合は、その状態をキープするために引っかけておく部品があるんですが、助手席ドアからアクセスできない状態だったため「プリン写ル」を重しにしてみました。

ちなみに「プリン写ル」は年末によく売れる商品だから覚えておくことはおじさんとの約束だぞ!

新しいバッテリーとメモリーバックアップの準備

ここでAmazonから届いたアイシンの85D26R新品バッテリーの登場。

中央部分に持ち手があるから片手で移動できるし、今回は狭小スペースでの作業環境下なのでありがたい。

続いて旧バッテリーを外す前に、メモリーバックアップのために購入したこの製品をシガーソケットに差し込んで、一時的に車内の電装品に9V電力を供給。
ここからはスピードが大事なので、作業時間は10分以内で終えられるようにしたいところ。

すみやかに、それでいて慎重に作業します
【最重要】取り外しはマイナスから|取付けもマイナスで終わる

クルマのバッテリー交換にあたって、最重要なのが
「取り外す際はマイナス(ー)から外し、取り付ける際もマイナス(ー)で終わる」
という順番。これは鉄の掟です。
細かい説明は省くんですけど、ここを怠ると「ショート」「感電」や最悪「バッテリー破裂」なんて物騒すぎる事態が発生します。
DIYによるバッテリー交換のリスクには、以下が挙げられます。
交換時の不手際によるショートや火災のトラブルリスク
バッテリーのプラス端子からは電気が流れており、交換時に工具がプラス端子とアースに接触するとショートしてしまう恐れがあります。また、取り付け時にステーの取り付け不良や走行時に緩みなどが発生すると、エンジンルーム内でショートを引き起こし、最悪の場合はエンジンルーム内のオイルなどに引火し火災につながる可能性も十分考えられます。
引用元:カーコンビニ倶楽部
けっこうありがちなのが「工具でターミナルのナットを緩めてる際に工具がボディ金属部分に接触」っていうパターンです。
劣化したバッテリーを外す際でも、これをやると「パンっ!」と火花が出るんですが、新品の電圧バリバリのバッテリーだと割とまじでシャレにならないことになります。

古いのはマイナスからはずす!
新しいのは最後にマイナスをつける!
これはおじさんとの約束だぞ!(2回目)

上記の鉄則を守り、無事に旧バッテリーを引き出すことができました。

付いてたのはGSユアサのバッテリーでした

アイシンの新バッテリー設置手順

ここからは取り外し作業と逆の順番で進めていきます。
この時点ではターミナルのキャップは外さず、なおかつ車体側のケーブル端子部分はガムテープで絶縁しとくほどの念の入れよう。

ズボラなぼくですが今回は慎重を期しました
でもバッテリー交換って、これくらい慎重でちょうどいいくらいの作業です。

無事に新バッテリーの設置と端子の接続が完了。
もちろん端子は「最後にマイナス側を接続」。
気づき|メモリーバックアップは100%ではなかった

慎重に実施したこともあって、これといった事故もトラブルもなく無事にバッテリー交換は完了しました。

涼しい時期だったのが不幸中の幸いでしたね
エンジンも無事に始動したのでひと安心……と思いきや、カーナビの設定が一部リセットされてました。
どうやらメモリーバックアップしても完全に設定が維持されるものでもないようです。
- パワーウインドウのオート開閉が利かなくなった
- 「クリアランスソナーエラー」の表示がメーターパネルに出た
すぐに気づいたのはこのふたつでしたが、しばらく試運転して翌日仕入れで一日運転してたら正常に復帰していました。
調べてみるとバッテリー上がりの場合は少なからず設定がリセットされることは不可避っぽかったので、80%くらいのメモリーが保持されてればOKかな、という考えがちょうどいいでしょう。
それでもカーナビに登録していた「行先」「自宅」「履歴」あたりはすべて残っており、イチから入力しないで済んだので、やはりメモリーバックアップはしておいて良かったと感じました。


まとめ|200系ハイエースDIYバッテリー交換の所感

電池ってクルマのバッテリー含めて、やっぱりけっきょく「消耗品」なんですよね。

若いころ中古車販売店のバイトでバッテリー交換はイヤってくらいやってました
だいたいバッテリーが劣化してきてるクルマって、エンジン始動時にセルの回りが悪くなってきてたり何らかの予兆を出してることが多いので、違和感があったら今回の記事を思い出してください。
もうクルマの免許を取得して30年以上経過して、いろんなクルマを乗り継いできたぼく、過去に自分でバッテリー交換やDIYの類は何べんもやってきています。
じゃあなんで今回ハイエースのバッテリー上がりを見落としたのか?っていうと、過去に乗ってきたクルマとハイエースの決定的な違いがあります。

ハイエースは新車だったのでまさかバッテリー上がるとは考えてませんでした
過去に乗ってきたクルマは総じて「最低10年落ちの中古車」だったのに対して、ハイエースは「リースの新車」でした。
リースナブル
新車なんだから5年間ディーラー保証あるし……
新車なんだからダイナモとかセルモーターとか、不調になることもないでしょ……
新車なんだからそうそう故障しないでしょ……
いいえ、バッテリーは消耗品なのでディーラー保証外です。
「車は動いて当たり前、と思ってると足元すくわれる」
ぼくの失敗を反面教師にしてください。
