こちらの記事にたどり着いた、ということは読者さんはいわゆる「個人事業主とマイクロ法人の二刀流」を実践している方だろうと思う。
ぼくもリベ大の動画と橘玲さんの書籍を読んでいたこともあって、2021年から社員ぼくだけのひとり会社を経営してる人だったりする。

今回は経理や仕訳のド素人が、税理士を使わずにマイクロ法人の決算、申告を自分で行った方法を記録したい。
結果としては売上がほとんどない法人だったからかもしれないけど、決算と申告は丸1日取り組んでなんとか終わらせることができた。
またひとつ経験を積んだことで、次回も自分で決算を行う自信がついたことを念頭に置きつつ、この記事を残したい。
マイクロ法人の維持コストはバカ高い

ぼくはは個人事業主との二刀流を目的に、2021年の10月にマイクロ法人を立ち上げている。だから今回の決算は3期目。
ぼくのマイクロ法人設立に大きな影響を受けた両学長の動画はこちら。
で、1期目と2期目の決算はそれぞれ別の税理士にお願いしてたんだけど、顧問料や決算にかかる費用が高すぎて、正直マイクロ法人を設立したメリットを活かしきれてなかった。

それもこれも自分の知識不足が原因なんだけどね💦
せっかく社会保険料の負担を軽減するためのマイクロ法人を立ち上げてるのに、それを維持するためにかかった費用は下記。
- 1期目決算→2万5千円×12か月=30万円(顧問料と決算)
- 2期目決算→6万6千円(決算のみ)
このほかに法人住民税が約7万円、毎年発生する。
1期目は個人事業主側の確定申告をお願いしてた流れで同じ税理士事務所に頼んだんだけど、法人側は1年間通してほぼ売上も無いし、相談することなんて正直何もない。
実際、法人の銀行口座からは社会保険料しか出てくお金が無いから仕訳もクソもないはずなのに、決算込みとはいえ顧問料年間30万はいくらなんでもぼったくられすぎと感じていた。

で、2期目は税理士ドットコムを利用して3名ほど紹介してもらい、最終的には一番安かった「決算申告のみ6万6千円(税込)」のところにお願いすることにした。
ちなみに1期目の税理士にも決算のみで打診したところ10万と言われた。なめすぎ。
ということで無事に6万6千円払って2期の決算と書類が出来上がって納税まで無事に完了した、ってのが2023年のはなし。
まあ最初はそれで良かったんだけど、後日ゆっくりと仕上がった書類をじっくり通読したところで思った。

いや、これ自分でできるんじゃね?
自分でマイクロ法人の決算をするにあたって準備したもの
- 前年度の決算書・税務申告書
- マネーフォワードクラウド ※決算書作成に必要
- 全力法人税 ※申告書作成に必要
- 銀行の記帳内容(本年度分)
- 確定申告書等作成コーナー(国税庁ウェブサイト)へのアクセス
- マイナンバーカード
ということで、自分で決算を行うにあたっては過去の決算書を参考にした。
決算の実施にあたっては過去の決算書類が必要になる場面がちょいちょいあったため、その意味では過去2期税理士にムダとも思える金を払った意味があった、と無理やり自分を納得させることにした。
また、申告書作成はマイクロだろうが大企業だろうが法人はたくさん作らなきゃいけないっぽいので「全力法人税」を使わせていただいた。

いろいろ調べた結果、「税理士いらず」とも比較したんだけど、ぼくは多くの人が利用してる「全力法人税」に決めた。
決算書の作成(マネーフォワードクラウド)

まず、決算書の作成にあたってはマネーフォワードクラウドが1か月無料だったので使ってみた。
無料の会計自動化ソフト マネーフォワード クラウド会計
上の画面のサービス一覧、左上の「会計」から入力していけるんだけど、マネーフォワードは決算書を作成する役割。
ぼくはなんにもわかってなかったんだが、どうやらマイクロ法人の決算というのは「決算書作成→申告書作成」の順番で作業をするんだって。
この時点でぼくは、

うげえ、めんどくせえ。。。。。
となったけど、安心してほしい。
何を隠そう、ぼくは偏差値40台の地元の県立高校出身者だ。
高校3年の卒業直前、苦手な数学の試験にノー勉で挑んだ結果、見事赤点となり2月の寒い放課後に補習を受けてなんとか留年を免れたようなレベルの男なのである。
そんなボンクラだってできたんだから、現時点でマイクロ法人を作って経営している、という超マイノリティーな行動と実践をしてる読者の方ができない理由があるだろうか。いやない。(反語)
1 売上と経費の確認
まずは1年間の売上と経費を確認することからスタート。

と言っても、うちは一年間の売上が3万で経費はゼロ、あとは月々の社会保険料が引き落とされてるだけなので通帳を見れば一目瞭然の状況。
ぼくの役員報酬は最低レベルの月4万5千円に設定してるから、労使合計での社会保険料がこれ。
これこそがマイクロ法人経営の醍醐味で「社会保険料を安く抑える」という最上至上の目的であったりする。
2 決算書を作成(仕訳)
決算書を作成するにあたって、ぼくの場合はほぼ画像の通帳の通りで、多くの経費は個人事業主の方につけているし仕訳と言えるほどの作業はほぼない。
ただ、社会保険料の支払いと役員報酬については、ややクセのある仕訳が必要。
この仕訳については、こちらのブログが大いに参考になったので、詳しく知りたい人は記事を参照してほしい。
3 仕訳後のチェックと決算整理前仕訳
決算月終了直後、通帳に記帳された「銀行残高」とマネーフォワードクラウドの「預金残高」が一致していることを確認する。
3. 法人税申告書の作成(全力法人税)
ここで件の全力法人税の出番。
マネーフォワードクラウド側での決算書チェックができたら、データをエクスポートする。
これは全力法人税で必要になってくるので「勘定科目」と「仕訳帳」のデータをエクスポート、ダウンロードする。
確定申告書等作成コーナーを利用して、法人税申告書を作成します。
3.1 基本情報の入力
- 法人名、所在地、事業年度などを入力
- 前期からの繰越損失がある場合は忘れずに入力
3.2 決算書情報の転記
作成した貸借対照表と損益計算書の情報を、画面の指示に従って入力していきます。
注意:売上がゼロまたはほぼゼロの場合、その理由を「備考」欄に記入することをおすすめします。例:「新規事業の準備期間のため」など。
3.3 税額の計算
入力した情報をもとに、システムが自動的に税額を計算します。売上がほぼない場合、多くの場合は納税額はゼロになります。
4. 地方税の申告
法人住民税と事業税の申告も忘れずに行いましょう。各都道府県・市区町村のウェブサイトで手続き方法を確認してください。
5. 電子申告(e-Tax)の利用
作成した申告書は、e-Taxを利用して電子申告することができます。マイナンバーカードまたは電子証明書が必要です。
6. よくある質問
Q1: 売上がゼロでも申告は必要ですか?
A1: はい、法人である以上、売上の有無に関わらず申告義務があります。
Q2: 赤字の場合、どうすればいいですか?
A2: 赤字の場合は、その損失を翌期以降に繰り越すことができます。正確に申告することで、将来の節税に役立つ可能性があります。
Q3: 自己申告で間違いがあった場合はどうなりますか?
A3: 誤りに気づいた場合は、速やかに修正申告を行います。故意でない限り、重大な問題にはなりません。
まとめ
マイクロ法人の3期目の決算・申告は、慣れれば自分で十分に行えます。特に売上がほとんどない状況では、基本的な手順を押さえることで対応可能です。ただし、事業が成長し複雑化してきた場合や、不安がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
この記事を参考に、ぜひ自己申告にチャレンジしてみてください。コストを抑えながら、自社の財務状況への理解を深められるはずです。
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