※この記事は、私個人の売却体験をまとめたものです。投資の勧誘や助言を目的としたものではなく、価格や条件は物件・時期によって異なります。実際のご判断は、必ずご自身と専門家でご確認ください。
ぼくはかつて、名古屋市内に投資用の中古ワンルームマンションを1室所有していました。その物件を、2026年5月にようやく売却し終えました。
結論から言うと、本体価格1,180万円で買った物件を、同じ1,180万円で売却しました。売買の仲介手数料などを差し引いた数字を考慮すると「損切り」の決断です。
マイキーせどりとはケタ違いの損失金額と重圧に耐えられませんでした
ところが、最後まで収支を計算してみたら、ちょっと意外な結論にたどり着いたんです。
- 専任媒介で報告が来なくなったら危険信号。任せきりにしない
- 利害関係のない第三者に相談する。相場とのズレが見えてくる
- 買取は早いが安い、仲介は手間だが高い。今回はその差が140万円だった
- 管理委託契約の解約条項を必ず確認する。違約金の地雷がある
- 囲い込まず、すぐ報告してくれる仲介を選ぶ。担当者で結果は大きく変わる
この記事では、2年以上売れなかった物件がなぜ最後は10日で売れたのか、そして「売ってよかった」と思える本当の理由を、実際の数字をすべて公開しながら正直にお話しします。同じようにワンルーム投資で悩んでいる方の参考になればうれしいです。
(筆者は埼玉県でジャンクせどりを営む個人です。どんな人間が書いているのかは運営者プロフィール(マイキーの自己紹介)をご覧ください。)


ワンルームマンションを手放そうと思った理由


この物件は、いわゆる投資用ワンルームとして購入したものです。購入価格は本体1,180万円、登記や手数料などの諸費用を含めると総額で約1,310万円。1,170万円のローンを組んでのスタートでした。



あたしは反対したよ!怒



反省してます……
法人契約の入居者さんが長く住んでくれていたおかげで、毎月の収支はわずかにプラス。数字だけ見れば「持っていても損はない」状態でした。
でも、心のどこかにいつも引っかかりがありました。
「入居者が退去した瞬間に収支は赤字になるぞ……」
「エアコンや給湯器がひとつ壊れたら10万の出費が確定だ」
「金利が上がったらヤバくないか???」
——そんな不安が、ずっと頭の片隅にあったのです。
追い打ちをかけるようにここ数年、とうとう変動金利で借りたローンが上昇し始めました。
この頃から不動産Gメン滝島氏のチャンネルを見漁っていて、ようやく「いま自分はヤバいことになっているかもしれない」と自覚。



もう「この足枷(あしかせ)を早めに外すしかない」と決心しました
2年以上、専任媒介で「塩漬け」だった


実は、売却活動自体はずっと前から始めていました。友人の紹介で、ある仲介会社(ここではA社とします)に専任媒介契約で売却を任せていたのです。



不動産賃貸業を営む友人の紹介先(大手)にお願いしました
売り出し価格は1,280万円。ところが、2年以上のあいだに具体的な購入の打診は、1,030万円と1,050万円の2回だけ。どちらも安すぎると感じて見送りました。
さらに決定的だったのが、担当営業所の統廃合をきっかけに、販売活動の報告がぱったり来なくなったこと。
これ、任せている意味なくないか……???
専任で任せているのに、何をしてくれているのか分からない。違和感と不信感が、どんどん大きくなっていきました。
専任媒介の注意点:1社にしか任せられないぶん、その会社が積極的に動いてくれないと売却は止まります。「定期的な活動報告が来なくなった」ら、それは見直しのサインです。
第三者に相談したら“相場とのズレ”が見えてきた


モヤモヤを抱えたまま、ぼくは思い切って不動産にくわしい第三者の方に有料相談してみました。利害関係のない、客観的な意見をくれる人です。



この相談が大きな転機でした
そこで言われたのが「この物件の客観的な査定は1,000〜1,100万円くらい。1,280万円はやや強気の設定ですね」という一言。長く売れなかった理由が、ストンと腑に落ちました。
並行してワンルーム投資を始めたRENOSYにも買取査定を依頼していました。その結果がこちらです。
| 査定の種類 | 金額 |
| RENOSY 買取(交渉後の最高額) | 1,040万円 |
| RENOSY 仲介査定(成約予想) | 1,200〜1,300万円 |
ここでぼくは、せどりで鍛えた価格交渉グセが発動し、RENOSYに「買取を1,100万円で再検討できませんか」と逆提案したり、アプリの資産価値シミュレーション(1,080〜1,273万円)との差を指摘して査定の根拠(収益還元法のロジック)まで細かく質問したりしました。
ちなみに、この「価格交渉で粘るクセ」は完全に本業のせどりで身につきました。普段のジャンクせどりの仕入れや暮らしの記事はこちらのカテゴリにまとめています。





この時だけは頼もしい!と思ったけどね



いつもはだらしないですから……
RENOSYの担当者さんは誠実に対応してくださいましたが、最終的に「買取の仕入れ原価や利益率は非公開」とのこと。これは買い叩いているのではなく、買取という仕組み上、当然のことです。ここでぼくは大事なことに気づきました。
買取価格(1,040万円)は、仲介で売れる価格(1,200〜1,300万円)の8割ほど。スピードを取るか、価格を取るか——ここが分かれ道でした。
「囲い込まない仲介」に出会って、流れが変わった


相談した第三者の方から、「囲い込みをせず、すぐ動いてくれる仲介会社」を紹介してもらえることになりました。東京の会社の担当者さん(ここでは伏せます)です。
この担当さんの仕事ぶりが、A社とはまるで違いました。
- レインズやポータルサイトにすぐ登録し、PV数・問い合わせ・内見の件数を客観的に報告してくれる
- 自分の見落としも「私のミスです」と正直に認める誠実さ
- とにかくレスポンスが速く、夜でも段取りを進めてくれる
A社がずさん過ぎだった、という点もあるため比較するのもためらわれますが、すっかり仲介業者に対して疑心暗鬼だったぼくには迅速な報告が来るってことだけでも安心材料でした。



同じ「仲介」でも、人によってここまで違うのかと驚きましたよ
契約書に潜んでいた「違約金54万円」の罠


売却を進める中で、担当さんが管理委託契約の約款を読み解いて、こう警告してくれました。
「この契約、売却に伴って管理を解約する場合、賃料9ヶ月分=約54万円の違約金が発生する条項がありますよ。ご認識されていますか?」
正直、まったく把握していませんでした。幸い、RENOSY側が「長年のご愛顧」を理由に違約金を大幅に緩和してくれていて、最終的な解約費用は55,000円(賃料1ヶ月分)で済みました。もしこの条項を見落としたまま進めていたら、50万円近い差が出ていたわけです。
ワンルーム投資では、売却時の管理解約に違約金がかかる契約が珍しくありません。売ると決めたら、まず契約書の解約まわりを確認しましょう。
出品10日でスピード成約、しかも価格は30万円アップ


担当さんが1,180万円で再出品してくれると、なんとわずか10日で買付(購入の申し込み)が入りました。2年動かなかったのが嘘のようです。
A社と比べてスピード感が違いすぎて理解が追いつかないんだけど……
しかも、ここからがプロの仕事でした。最初の購入希望額は1,150万円だったのですが、担当さんは別の中古ワンルーム業者からの買付提案を引き合いに出して交渉し、価格を1,180万円まで引き上げてくれたのです。じつに30万円のアップです。



「30万稼ぐ」のと同義、ってすごいことですよ
その後も、手付金の設定、原状回復条件の確認、管理解約のタイミング調整まで、すべて段取りしてくれました。契約から決済・入金までもスムーズで、2026年5月末、無事に売却が完了しました。
【お金の話】損切りのつもりが、計算したら違った


ここからは、実際のお金の話を包み隠さず公開します。まず、もし最初にRENOSYの買取で売っていたら——という比較がこちらです。
| 売り方 | 売却額 | 特徴 |
| RENOSY買取(当時の最高提示) | 1,040万円 | 早い・確実だが安い |
| 紹介された仲介で実際に成約 | 1,180万円 | 手間はかかるが高い |
その差、140万円。買取の手軽さに流されず、粘って仲介で売ったことが、はっきり数字に表れました。



「140万の仕事」と考えたら積極的に仲介の手間を取るべきです
とはいえ、本体は1,180万円で買って1,180万円で売ったわけですから、「売買時の諸費用ぶん、損したな」とずっと思っていました。ところが——です。所有していた約7年半ぶんの収支まで含めて計算してみたら、景色が変わりました。
① 毎月・毎年の収支
毎月の家賃から、管理費とローン返済を引いた手残りはこうでした。
| 家賃収入 | +58,900円 |
| 管理費・修繕積立金 | −8,830円 |
| ローン返済 | −38,804円 |
| 毎月の手残り | +11,266円 |
ここから年1回の固定資産税(43,800円)を引いても、年間で約9万円のプラス。わずかですが、ちゃんと黒字で回っていました。
しかし、たった1回のエアコン交換(10万円)でこの黒字1年分は吹き飛びます。
② 約7年半の運用トータル
| 家賃収入(累計) | +5,242,100円 |
| 管理費・修繕積立金 | −785,870円 |
| ローン返済 | −3,453,556円 |
| 固定資産税 | −328,500円 |
| 火災保険(通算) | −11,730円 |
| 運用の手残り 合計 | +約66万円 |



この期間中にエアコン故障などのバッドイベントが無かったことは幸いでした
③ 売買・ローン精算のトータル
そして、購入と売却、そしてローン返済にかかったお金がこちらです(実際の決済書類の数字です)。
| 購入時の自己資金(本体差額+諸費用) | −1,400,000円 |
| 売却額 | +11,800,000円 |
| 繰り上げ返済(2025年6月) | −1,000,000円 |
| 繰り上げ返済 手数料 | −20,000円 |
| ローン残債 一括返済 | −8,759,044円 |
| 一括返済手数料 | −175,091円 |
| 仲介手数料 | −455,400円 |
| 管理解約の違約金 | −55,000円 |
| 抵当権抹消の登記費用 | −29,500円 |
| 契約書の印紙代 | −5,000円 |
| 売買のトータル | −約10万円 |



10万マイナスじゃん!



「10万マイナスで済んだ」という思いが本音です
④ 【結論】生涯トータルは……
| 運用の手残り(②) | +約66万円 |
| 売買のトータル(③) | −約10万円 |
| 生涯トータル収支 | = 約 +56万円 |
売買価格はマイナス。さらに途中で100万円の繰り上げ返済もしていたので「大損だ……」と思い込んでいました。でも、7年半ぶん貯まった家賃の手残りと、減っていたローン残高が最後に効いて、フタを開ければプラス。これは嬉しい誤算でした。



完全に損切りだと思って覚悟してたのに……



ちゃんと数字を出してみるって、大事だね
しかしながら下記の理由から「中古ワンルームマンション投資」はもうコリゴリです。ぼくは2度とやりません。
- せどり事業のほかに「家賃収入」があることによって確定申告時の工数が増えていた
- 1310万円の資金を投入、7年半の期間を使っても56万円のプラスにしかならなかった
- ジャンクせどりと比較して利益率が悪く、撤退(売却)するにも時間と脳のリソースを奪われた
- けっきょく今回一番もうけを出したのは(販売・仲介)業者だった
あくまでもぼくの勉強不足が原因ですし、せどり事業と比較すること自体がナンセンスだとも思いますが、素人がまったく知識を持たずに参入して失敗したら確実に人生が終わる危険性があると感じました。
結果的にお金は少し残ったけど投資としては家族や友人にも絶対おすすめできません。



完全に身の丈を超えた博打でした
【番外編】もしNISAでオルカンに同じ条件で投資していたら?


ここで気になるのが「同じお金を、もっと手軽な投資に回していたらどうだったの?」という点です。



たしかに気になるね!
そこで、毎月のローン返済額とほぼ同じ月3.8万円を7年間、全世界株式(eMAXIS Slim オール・カントリー=通称オルカン)に積み立てた場合を、Yahoo!ファイナンスのシミュレーターで試算してみました(積立元本は約319万円)。



管理費・修繕積立金8,830円/月は除外します


| 想定利回り(年率) | 7年後の評価額 | 運用収益 |
| 5%(控えめに見た場合) | 約381万円 | +約62万円 |
| 7%(一般的な長期想定) | 約410万円 | +約91万円 |
| 20.1%(過去5年の平均実績) | 591万円 | +272万円 |
できるだけ冷静になってフェアに付け加えておきますが、想定利回りは控えめ(5%)で見ればどちらも大きな差はありませんでした。



そんなバカな……
今回の中古ワンルーム投資、月々のローン返済の大半は家賃でまかなわれていたため、ぼくが実際に自分のお財布から投じたお金は、ほぼ最初の自己資金だけでした。なので上の試算は「もし同額を全額投資に回せていたら」という、ややオルカン有利な「もしもの話」として捉えてください。
それでも、現実的な利回り(5〜7%)で見ても、オルカンはワンルーム投資(+約56万円)と同等か、それ以上。しかも手間いらず・いつでも売れる・NISAなら利益に税金がかからないことを考えると、正直、今のぼくにはワンルーム投資の優位性を見つけられませんでした。
注意:「20.1%」は、直近5年が世界的な株高と円安でたまたま絶好調だったことによる数字です。将来も同じ利回りが続く保証はまったくありません。株式投資には暴落で一時的に元本割れする年もあります。長期で見れば過去は好成績でしたが、あくまで「過去の実績」としてご覧ください。
【まとめ】ワンルームマンション投資損切り売却のリアル


本体価格だけ見れば「損切り」。でも、家賃収入まで含めた本当のトータルでは、約56万円のプラスで着地できました。そして何より大きいのが、ずっと心の片隅にあった“足枷”が外れて、前に進めるようになったこと。



これが「売ってよかった」と心から思える一番の理由です
ぼくは今回たまたま結果オーライでしたが、2年間の売却活動を振り返ってみると背筋が凍るような局面がいくつもありました。
- 最初の仲介業者にまかせっきりにしていたら→売却額は1000万程度
- RENOSYの管理解約を言われるまま違約金を払っていたら→50万のマイナス
- 第三者に相談をしていなかったら→金利上昇でマイナス
- 信頼できる仲介業者が見つからなかったら→売却できず最後まで塩漬け
これらを考えるとどう転んでも大幅な損失だったはずで、プラスで終えられたことは本当に幸運だったとしか思えません。ワンルームマンション投資は本当に落とし穴がいたるところにボコボコあって、所有期間中はかなりメンタルを削られる日々でした。



ひとつでもミスっていたら詰んでました……



そもそもよく分からない投資なんかしちゃダメよ!
反省してます……(2回目)
もし同じように悩んでる人がいたら、ひとりで抱え込まずに、まず誰かに相談してみてください。ぼく自身も違和感をそのままにせず、相談という形で一歩を踏み出したことが、今回の結果につながりました。
同じようにワンルーム投資の出口で悩んでいる方がこの記事が参考になれば幸いです。
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